こんにちは!今回は、少しユニークな意識の状態「PNSE」について解説していきます。PNSEとは、英語で"Persistent Non-Symbolic Experience"の略で、日本語では「持続的な非象徴的体験」と訳されます。これは、いわゆる「覚醒」や「悟り」と呼ばれる意識の変容状態を科学的に分析した概念です。
近年、科学者たちはこうした精神的な体験を「神秘的」「宗教的」なものだけではなく、脳の働きや意識のメカニズムから捉えようとしています。PNSEはその一つの成果であり、誰もが達成可能な「持続的な覚醒状態」として注目されています。
PNSEは「日常的に続く覚醒体験」のことを指します。従来の「悟り」「目覚め」と似ていますが、宗教的な文脈を排除し、あくまで科学的な観点から観察・研究されています。このPNSEの研究を先導しているのが、意識研究者のジェフリー・A・マーティン博士です。
PNSE状態になると、次のような変化が見られることがわかっています:
これらの変化が「持続的に」起こるのがPNSEの特徴です。マインドフルネスや一時的な瞑想体験とは異なり、この状態が日常的な意識のベースとなるという点で非常に興味深いですね。
ジェフリー・A・マーティン博士が開発した「Finders Course」(FC)は、PNSEに到達するための体系化されたプログラムです。これは、多様な瞑想法や自己探求のテクニックを通じて、自分に合った方法を見つけ、持続的な非象徴的体験を得るためのトレーニングです。
FCでの練習内容には、以下のような要素が含まれています:
これらの実践を通して、参加者は「内なる静けさ」や「意識の変容」を体験し、それが徐々に日常に定着していくことが期待されます。興味深いことに、この方法によって多くの参加者がPNSEやそれに近い持続的な心の変容を体験していることが、研究で報告されています。
PNSEの状態にある人々の脳波を調べた研究によると、この状態の人はアルファ波やシータ波といったリラクゼーションや瞑想状態と関連する脳波が増えていることが確認されています。また、PNSE状態に入ると、デフォルトモードネットワークと呼ばれる自己認識に関わる脳のネットワークが減少する傾向があることがわかっています。
こうした変化は、自己意識が消失したり、内なる平安が感じられるPNSEの特徴と一致します。つまり、PNSEはただの「気の持ちよう」ではなく、脳の活動が変化した結果生じるものだといえます。